正しく見える昇進が、いちばん自分を壊すことがあります
得意分野はランキングの上端から、成長の方向は下端から計算されます。キャリアの失敗の多くは、その距離を一歩で渡ろうとしたことから起きています。
ほとんど誰も予測できないキャリアの失敗があります。目に見える信号がすべて「良い考えだ」と言っているからです。
あなたは何かがとても得意です。得意であることを評価されます。そのご褒美が、まったく別のことを求める役職だった。半年後、ここ数年でいちばん仕事ができない自分になっていて、何が起きたのか分からない。
Zscope はこの形を説明できます。しかも、同じリストの反対の端から来る二行で。
二つの行、ランキングの両端
どのプロファイルにも 12 の特性スコアがあります。精度、実用性、構造性、内省力、適応力、拡張性、社交性、リーダーシップ、強度、感情性、理想主義、慎重さ。仕事のブロックは、この並びを両端から読みます。
得意分野は、いちばん高い特性から計算されます。精度が首位なら、得意分野は分析・設計・品質管理。実用性が首位なら、実行と運用管理。内省力なら戦略と洞察、社交性ならコミュニケーションとチームづくり、慎重さならリスク管理と監査です。
成長の方向は、いちばん低い特性から計算されます。社交性が最下位なら「人脈と協働の力を育てること」。リーダーシップが最下位なら「主導する力と率先する姿勢を強めること」。精度が最下位なら「細部への注意と品質基準を上げること」。
これはあなたについての意見ではありません。ひとつの並びの、上端と下端を読み上げたものです。そしてその二つの距離が、まずい昇進があなたに渡らせようとする距離そのものなんです。
何が起きているのか
いちばんよくある形を見てみましょう。
精度が首位の方が、四年のあいだ「他の人が見落としたものを拾う人」をしてきました。その部屋でいちばん上手なのは、測っても明らかです。そこでチームを率いる役職に昇進します。
チームを率いるのは精度の仕事ではありません。社交性とリーダーシップの仕事です。調整し、任せ、場を読み、他の人の仕事が自分の 8 割の出来でも許容する。
もし社交性やリーダーシップがその方のランキングの最下位にあったら、その昇進は、得意分野から成長の方向へまっすぐ移したことになります。中間の段もなく、段を渡ったという認識すらないままに。
関わった全員が、これはご褒美だと思っています。受け取った本人は、うまくいかないとき、自分に何か問題があると思ってしまいます。
注意点とは別の話です
以前、注意点は強みが行きすぎた姿ですと書きました。エンジンに欠点という分類はなく、どの注意点も、高い特性を状況が求める以上の強さで読んだものだ、と。
成長の方向は、その反対の端です。注意点はいちばん良い特性が熱くなりすぎたときの姿。成長の方向はいちばん弱い特性が手つかずにしていることです。
混同すると、まずい自己改善の計画ができあがります。注意点を「得意なことを控えろ」という指示として読んでしまう人。成長の方向を「自分の強みは過大評価だった」という証拠として読んでしまう人。
二つのリストは同時に正しく、違う方向を指しています。注意点は「これを加減しなさい」と言い、成長の方向は「こちらは、そもそも積まれていませんでした」と言っています。
環境は好みではなく、本当の制約です
仕事のブロックは、向いている環境と協働のしかたも計算します。この二行が、いちばん「ふんわりした話」として読み飛ばされがちです。
ふんわりしていません。構造性が高く社交性が低ければ「静かで構造化された、深く集中できる環境」になります。あれば嬉しい、ではありません。プロファイルの残りが説明どおりに機能するための条件だからです。社交性が高ければ「活発にやりとりする開かれた環境」。拡張性が高ければ、自由に探索できる柔らかい環境です。
協働のしかたは社交性から直接決まります。社交性が低ければ信頼できる少人数、高ければ多様なチームをまたぐ積極的な調整、中くらいなら目的志向のパートナーシップ。
深い集中のために作られたプロファイルを、広い部屋の調整役に置いてみてください。特性は何ひとつ変わっていないのに、着地する場所がなくなります。「前の職場では力を発揮していたのに、いまは溺れている」が、人格の変化ではなく両方の職場について正しい記述であることが多いのは、このためです。
これをどう使うか
成長の方向に触れる役職をすべて断る、というのは使える手ではありません。それでは定年まで同じことをし続けることになります。
使えるのは、ある役職がリストを一歩で渡らせようとしているときに気づいて、その値段を正直につけることです。
得意分野から隣の特性への移動は、背伸びです。ランキングの上端から下端への移動は、昇進の衣装を着たキャリアチェンジで、そのように計画されるべきものです。支援をつけて、長めの滑走路を用意して、最初の一年がこれまでの四年とは違って見えることを、はっきり了解したうえで。
もうひとつは、成長の方向でつまずいていることを、自分の能力への判決として読むのをやめることです。エンジンは 12 の特性を並べました。何かが最下位になるしかありません。最下位になったものは道徳的な失敗ではなく、別の何かが首位になったことの算術的な帰結です。
本当に難しいところ
成長の方向が成長の方向でなくなる版は、存在しません。それはいちばん低い特性だからです。
取り組めば、穴ではなく機能する力にはなります。でも得意分野にはなりません。並びは組み替わらないからです。
多くのキャリア論より、ずっと褒めてくれない主張です。そして、残しておく価値のある主張だと思っています。十分に努力すればすべてが同じようにできるようになる、わけではありません。ある特定のことがとても得意で、たいていのことはそこそこで、ひとつは構造的に高くつく。どれがどれかを知っているほうが、あらゆる方向に一様に適用された成長マインドセットより役に立ちます。
昇進したければ、してください。ただ、リストのどちらの端から働くよう求められているのかは、知っておいてください。